デザインライフ設計室

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目に見えないことを知っていただくために 3

2020年5月22日

今週の3回のブログを使って行っている勝手にブックカバーチャレンジの最終回です。今回も、今の私の性格や考え方に少なからず影響を与えた本というしばりで、まとめて3冊をご紹介します。

 

[ ブックカバーチャレンジ | 5 ]

タイトル  |  川瀬敏郎 一日一花
著 者   |  川瀬敏郎
発 行 年   |  2012年
発 行 所   |  新潮社

花人の川瀬敏郎さんが1月1日から12月31日まで、毎日一花(たまに二花)づつ生けた状態を写真で綴った本です。いつ頃か覚えていないくらい前ですが「別冊太陽」で川瀬さんの特集をしていたものをよく見ていた時期がありました。その頃から他の方とは違う花の生け方が気になっていました。
花があることでその場が華やぐのはもちろんですが、花とその周りの空気との関係(間の取り方)により、場の雰囲気がつくられることが美しく素晴らしいと感じています。私は華道の経験がありませんが、花を生けることと建築空間を設えることはかなり近い関係にあると思いますのでとても刺激を受けています。

 

[ ブックカバーチャレンジ | 6 ]

タイトル  |  没後30年 熊谷守一展 天与の色彩 究極のかたち
発 行   |  熊谷守一展実行委員会
発 行 年   |  2007年
製 作   | 求龍堂

画家の熊谷守一さん没後30年の時に企画された展覧会の図録です。埼玉県立近代美術館で観た展覧会の圧倒的なボリュームは今でも鮮明に覚えています。シンプルな線と面の描画に辿り着く変遷を追いかけるように構成された展示は素晴らしかったです。
極限まで要素を減らしていきながら、実際以上のリアリティを感じさせる絵を描くことはとても難しいことだと思います。特徴を捉えるというよりもそのものになりきるくらいの観察からしか生み出せないのでしょうね。究めるということ、本物であるということを教えてくれます。自分の身近な建築でも同じようにシンプルに見えるものほど、シンプルに見せる努力を一生懸命見えないところでしているのを知っているので、そこが重なって余計に凄さを感じます。

 

[ ブックカバーチャレンジ | 7 ]

タイトル    |  d long life design 1
編集発行人 |  ナガオカケンメイ
発  行  年    |  2005年
発  行  所    |  D&DEPARTMENT PROJECT

ナガオカケンメイさんが立ち上げたD&DEPARTMENT PROJECTが手掛けたロングライフデザインをテーマにした小冊子です。
当時この小冊子を手にした時、今まで見たり読んだりした雑誌とはだいぶ違うことに良い意味で驚きました。本の厚みはそれほどありませんが、内容がとても充実していて読み応えのあるものでした。興味がある内容だけでつくられているとこんなにも面白く充実した気持ちになるものなのかと思いました。
話が飛躍しますが住まいも同じだと思っています。一生懸命家づくりに関わって、自分の好きが詰まった住まいができると、とても充実した暮らしを送ることができると思います。私は家づくりを生業にしていますが、こういう素晴らしい本の考え方からもインスピレーションを受けながら、家づくりにも間接的に活かされていると思います。

本題からはそれますが、魅力的な小冊子そのものにも大変興味を持っています。いつか自分の大切なモノ、コトの断片をまとめて家づくりに関する小冊子をつくってみたいと妄想しています。なかなか機会はありませんがいつか必ず実現してみたいと思っています。

ここまでお付き合い頂きましてありがとうございました。
少しでも私の今の性格や考え方の元を知っていただけましたら嬉しいです。
この企画は色々なテーマで出来そうです。また機会があれば別のテーマでやってみたいと思います。その時はまた気楽にお付き合いをお願いします。

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