格子出窓の家
築年数が経過した既存住宅を解体して同じ規模の木造住宅に建て替えをしました。約50年前に造成された街区は短冊上に分割され、どの家も南側に庭を、北側に建物を配置して規則正しく並んでいます。この住宅のみがイレギュラーに南と北に分割された南側の土地に建つという特異な状況にあるため、その土地の特性を活かして、街区の南側にある庭の緑とつながりを持つように植栽を配置し、2階からは緑の上空に視線が抜けるように計画しました。一方で住宅について建て主からは、明るく開放感のある空間が望まれ、防犯性があり飛来物等で窓が割れにくいことが求められました。この相反する要件に対して、窓を大きな出窓にすることで、開放感のある明るい空間を実現し、出窓の外側に木製の格子を取り付けることで、防犯性を高め、窓に飛来物が当たることを防ぎました。この格子により、室内からは建具、窓、格子、植栽が連続した層を成し、内から外への距離と奥行きをつくり出し、同時に外から内への日射と視線を調整しています。また格子が2階まで立ち上がることで南面のバルコニーの手摺を兼ねる機能的な役割と外観のデザインを整える意匠的な役割を担っています。幾つかの要因が重なる建て主の要望に対して、出窓と格子という建築的にシンプルな方法で解決することを試みました。
町田の住宅
「町田の住宅」が建つのは、新しい造成地の端の土地。道路よりも2.4mほど高い場所に位置しています。設計を始めた時点では、造成されたばかりだったため、周りにどのような家が建つのか分かりませんでした。これから周りに建つ家を想像しながら、光りが差し込み、遠くに視線が抜けるように窓の位置や大きさに注意しながら設計をしました。設計を進める上で、空間をつくる大きな要素となる、具体的なクライアントからの要望が2つ。リビングに階段を設けることと、収納スペースを充実させたいということでした。この要望を受けて、リビングと階段の配置、リビングとダイニング、キッチンの関係を繰り返し考え、シューズクローク、ファミリークローゼット、家電収納、本棚などの収納スペースを必要な場所に必要な量を確保できるように設計を進めていきました。
1階は浴室、洗面、トイレなどの水まわりとキッチン、ダイニング、リビングを配置し、リビングの一角に設けた階段を上った2階には、寝室、ファミリークローゼット、サニタリーと室内干しができる書斎という構成です。それぞれの場は、暮らしに合わせて落ち着きが感じられたり、開放感が生まれるようにつくられています。クライアントのイメージの断片を立体的に組み合わせることで、メリハリがありつつも、一体感があり、ゆるやかに全体が繋がっているような住宅になることを意識しました。
習志野の住宅
築年数が経過した団地タイプのマンションの一住戸を改修した「習志野の住宅」
今のライフスタイルに合わせて、間取りの変更と温熱環境の改善を中心に全面的に改修しました
八ヶ岳麓の住宅
「八ヶ岳麓の住宅」は西に連なる山々を臨むことができる、八ヶ岳連峰から伸びるゆるやかな傾斜地に建っています。住まいと作業場の二つの要素がある建物は、東から西に延びる長方形にシンプルな形の屋根がかかっています。