高基礎の家
House in Tama
newhouse
「高基礎の家」が建つのは、3方向を家に囲まれた旗竿状の土地。そのうちの2方向は高低差があり、家を建てるには、法的な条件からも不利な場所でした。土地の広さは約110㎡、床面積は約83㎡の木造2階建て。この場所で不利な条件を感じない豊かな住まいを実現しています。
家づくりをはじめるにあたって、最初にしたのは建築家を決めることでした。建築家と家づくりをしようと決めていたものの、誰に依頼をすれば良いか分からずにいたというNさんは「OZONE 家 design」に相談にいったそうです。そこでコーディネーターの方から紹介を受けた3人の建築家と面談をして、ひとりにしぼりました。
「青木さんは、本人が直接やり取りをしてくれるので、自分たちには合っていると思いました。有名な建築家の方にも会いましたが、担当のスタッフの方が対応してくれると言うことだったので」(Nさん)。
「青木さんは、本人が直接やり取りをしてくれるので、自分たちには合っていると思いました。有名な建築家の方にも会いましたが、担当のスタッフの方が対応してくれると言うことだったので」(Nさん)。
建築家が決まったので、いよいよ具体的に動きはじめました。家を建てるための土地を何ヶ所も見に行きました。最終的に、良い土地が見つかるまでには8ヶ月くらい掛かりました。「土地探しの時に青木さんと一緒の時間を過ごすことで、家づくりにいい影響があったと思います」(Nさん)。建て主と建築家が同じ時間を過ごすことで、少しずつ価値観を共有することができるので、のちの設計はやりやすくなります。
「土地探しの時、同じ金額の二つの土地がありました。自分では選ばない方の土地を青木さんに薦められましたが、信じて良かったです」(Nさん)。土地を見た時、二つの土地は、どちらも更地でした。選ばなかった土地の方には、太陽の陽があたっていて、明るくて良い印象でした。ただ、もうひとつの土地に家が建つと、日陰になってしまうことが想像できました。そういう理由で、少しでも条件の良さそうな土地をお薦めしました。
この住まいは、2階にLDKと書斎、納戸があります。天井の高い場所には、近くの森を眺めながら、くつろげるロフトをつくりました。このロフトに差し込む光が、壁と天井にあたりながら反射して、たて桟の隙間から柔らかな光となってリビングに降りそそいでいます。
ご主人が使う書斎は、リモートワークの際に引戸を閉めると個室になります。机の正面はガラス戸にしているので、LDKの様子が見えて、視界が開けているので閉塞感を感じません。背面には本棚をつくり付けて、仕事関係の本や、趣味の本がきれいに収まっています。
「収納の寸法などは、こんなに細かなことを言っていいのかと不安に感じながらも、ミリ単位で調整してもらえてよかったです」(Nさん)。
「収納の寸法などは、こんなに細かなことを言っていいのかと不安に感じながらも、ミリ単位で調整してもらえてよかったです」(Nさん)。
ダイニングから吹き抜けを見下ろすと玄関ホールが見えます。玄関ホールは広めの土間なので、靴の脱ぎ履きのほかにも多目的に使えて便利です。1階と2階の間の東面に大きな窓を設けているので、天気の良い日には朝日が差し込み、明るく爽やかな雰囲気が感じられます。
玄関ホールの隣には、子供室があります。広さは約6帖ほどですが、子供室の床は玄関よりも下がっていて、天井までの高さがあるので狭さを感じません。玄関の隣にこのような場所があると、視界が広がり、同時に奥行きも感じることができます。お子さんが大きくなってきた時に、どのように使われるのかも楽しみです。
1階には子供室のほかに、寝室と水廻りがあります。寝室は畳敷きの部屋で、明るさが抑えられています。落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと休めるしつらえです。壁から浮いた部分はクローゼットになっていて、洋服を収納しています。その下は布団をたたんでおけるように工夫されています。
道路とつながる細く長い場所に、車1台分の駐車スペースと玄関に向かうアプローチがあります。玄関は地面から約1m高くなっています。コンクリートの階段をあがった先に屋根で覆われた玄関ポーチ。空に向かってのびていく屋根とグレーの外壁にシャープな印象を受けます。
「家づくりは大変という友人知人が多かったのですが、自分は楽しかったです。せっかくの機会だから、楽しめた方が良いと思います」(Nさん)。家が完成して、友人が訪ねてきた時に、家づくりがしたくなったと言われるそうです。「良い家です」と言うNさんご夫妻の笑顔から、住まいと暮らしに満足していることが伝わってきました。