デザインライフ設計室

【リノベーションプロジェクト】初回プレゼンテーション

先日から準備を進めてきたマンションリノベーションの初回のプレゼンテーションを行いました。

ロウガンを乗り越え、模型も完成しました。
今回、自分で手を動かして模型をつくったことで設計の内容が変わっていったのは良かったと思います。模型をつくりながら考えたことを丁寧にお伝えしました。

今回の設計には背骨のような大切なポイントがあります。クライアントの要望と既存の状態から見えてきた肝になる部分です。私からの提案について、大きな修正もなくご了解を頂くことができました。この設計の大切なトコロをご理解頂けて共感してもらえたことが嬉しかったです。

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【戸建リノベーションプロジェクト】現場確認

先日、設計のご依頼を頂いたクライアントのご自宅にお伺いしてきました。
この日の目的はリノベーションを行うご自宅の現況確認と採寸です。

まじまじと見ていると、アレコレとアイディアが思い浮かびますが、限られた予算の中では出来ないことも多くあるので難しいところです。

ここから先は妄想と自問自答の繰り返しです。

「こういう事をすると生活が豊かになるだろうと思うけれど、それには費用が掛かる。そこは求められていないことだけど、今よりも良くなるのであれば提案したい。でもやっぱりお金が必要。であれば提案しない方が良いのか?でもクライアントは自分では思いつかないことを求めて設計を依頼している訳だから一度話しをした方が良いかな」

というような事を繰り返し繰り返し自分に尋ねています。
クライアントには優先順位が大切ですと言っていますが、これは設計者にも言えること。悩ましいです。

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【リノベーションプロジェクト】模型制作

今週おこなうプレゼンテーションの準備を進めています。
久しぶりに模型をつくっていますが、やはり楽しいです。

今まで紙に描いて考えていたり、頭の中で思い描いていたことを立体にすると気づくことがたくさんあります。
やっぱり違うと思うことがあったり、実際の工事での納まりが気になってしまって模型の手を止まったり、途中までつくった模型をつくり直すたりしているのでなかなか進みません。

一方で確実に進んでいるものがあります。ロ・ウ・ガ・ンです。
金尺の目盛りが見えにくくなっていたり、自分でつけた印を見失ったりして大変です。

写真はディテールと言われる細かな部分の見え方が気になって描いたメモ。

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【新築戸建プロジェクト】土地探し

新築で戸建住宅を建てることを考えているクライアントとの土地探しを続けています。

今回は先日とは別のエリアに気になる土地が出てきたということで現地を確認しました。その後、都市計画を調べたり、周辺の調査を行っています。

土地探しは創造系不動産と一緒に行っていますが、今回初めて電磁波測定をしていました。私もどのようなものか知りたかったので、同行しました。

今のところ気になる点はないので良い土地のように感じますが、引き続き詳しく調べていきたいと思います。

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【住まい訪問】静岡の団地リノベーション

静岡市で団地のリノベーションを手掛けたのですが、お住まいになられてから初めてお伺いをさせて頂きました。

完成から1年2ヶ月ほどが経ちましたが、とても綺麗にお住まいになられている様子を拝見できて嬉しかったです。

木製の建具や床材が経年変化により少し色が濃くなり始めていたり、この住まいのための家具が入ったり、奥さまの手によるステンドグラスの作品が増えていたりしているので、時間が経ったことを感じますが、その他は完成時と変わらない美しさに驚きました。

久しぶりにクライアントとお話が出来てとても楽しい時間を過ごすことが出来ました。貴重な時間をありがとうございました。

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第2回「吹抜けをつくる理由」

これから家づくりをする方や家づくりを考え始めようとしている方に向けて、このブログの中で不定期に連載をしていこうと思います。
個別のテーマはその都度変わりますが、連載のタイトルは『丁度いい暮らしと住まいのつくり方』として、これまでの設計事例の中からテーマに合わせて新築、リノベーションにとらわれず事例をご紹介しながら、毎回「丁度いい」暮らしや住まいとはどのようなことなのかを探っていきたいと思います。
丁度いい暮らしを生み出すための設計の工夫や考えたこと、クライアントの要望にどのように応えてきたのか、その他、個人的な想いなども書いていきたいと思っていますので是非お付き合いください。

2回目の今回は「吹抜け」をテーマにして私が吹抜をつくる理由を考えることで吹抜けの良さを探ってみたいと思います。

吹抜けは階が複数になる際に上下をつなぐなどの目的で生まれる空間です。そのため、主に戸建て住宅に設けられることが多いです。マンションでもメゾネットの場合で条件が揃えば吹抜けを設けることができると思いますが私はまだ経験がなく、ここでは戸建て住宅の事例をご紹介していきます。


写真はダイニングからリビングスペースを見ています。リビングの上空を吹抜けとした事例です。
リビング(1階部分)は南と北に性格の違う庭を設けています。その庭に対して性格の違う開口部(窓)を設けました。この開口部を通してそれぞれの庭をつなぐように視線が抜けます。また窓は全開放できるので、開け放つと風が抜けていきます(網戸は設けてあります)。写真正面は西面ですが1階部分を壁とすることで隣家からの視線を遮り、同時にテレビを置いても背面が気にならないプレーンな壁面を用意しました。一方で吹抜け上空の2階部分には窓を設けて光を取り込む工夫をしています。西に向いた窓なので西日になりますが直接的なまぶしさはなく、明るさは十分に確保できるように窓の配置を工夫しています。吹抜けに絡め、方位を考慮して開口部を配置することで、風が通り抜け光が巡る空間になります。また、時間や季節を意識するきっかけにもなると考えています。


こちらの事例は、1階に設けた家族が集まるスペースです。
この住宅のリビングは2階にありますが、リビングとは別に家族が集まる場所として、図書室と名付けたスペースを設けました。壁面には造り付けの本棚を設え、実際に図書室のように使うことができます。その他、パソコン作業をしたり、お子さんが勉強をしたり、来客時の応接のスペースにもなる場所です。この図書室の上空を吹抜けとして2階のリビングやダイニングと立体的につながるようにしました。


階段室を兼ねることで1階から2階へ、2階から1階へ移動する際には常に視線が移り変わり、上下方向の変化が感じられるつくりになっています。その他、吹抜けの高い位置(2階の高さ)に設けた北側の窓により安定的な明るさを確保でき、外からの視線を気にすることなく集中できる場となりました。吹抜けにより、上下階のつながりが生まれることで姿が見えなくても家族それぞれがお互いの気配を感じることができるので安心感もあります。

この住宅の吹抜けは玄関ホールと一体になっています。
旗竿敷地の南側に道路から続く、所謂「竿」の部分があり、そのアプローチの延長に玄関を設けました。敷地も住宅自体もコンパクトなので、窮屈さを感じない、大らかな家にしようという思いから吹抜けを設けました。その吹抜けの位置が玄関ホールにあるのにはいくつかの理由があります。細い路地状のアプローチを通ることで少し体が縮こまっているところを、家の中に入ると上空に広がる大空間が表れ、パッと開放されるような感覚を味わうことができます。緊張と緩和のリズムを作るイメージです。さらに、この吹抜けに接するように階段を設けていますので、上下階への移動がよりダイナミックに感じられるつくりにしています。周囲を隣家に囲まれている状況ですが南側の2階部分から光が入ることが期待できたので吹抜けをつくり上空から光を取り込むことにしました。その際、敢えて2階部分は北側に後退(セットバック)させて隣家から引きをとることで距離が生まれ、より多くの光が南面から入る工夫をしました。このことは同時に2階からこの大きな窓を見たときにも隣家と距離があることでお隣の視線を軽減する効果があります。

この住宅では2階の吹抜けに面する場所にご主人の趣味のDJカウンターを設けたり、一部机になる場所も設けました。目の前に壁がなく、抜けていることで開放感を感じられる居心地の良さを生み出しています。同じように吹抜けに面してカウンターを設けた事例があります。


同じように吹抜けに面してカウンターを設けた事例があります。1階のリビングの上空を吹抜けにして、吹抜けに面した場所にカウンターを設けました。この場所はお子さんが勉強をしたり、背後にあるテラスから洗濯物を取り入れて畳んだりする多目的な場所です。やはり開放感があり、上下階がつながることで距離が離れていてもお互いの存在を感じるられることが特徴のひとつです。

別の事例です。この住宅は、玄関を抜けると写真のような屋根まで吹抜けた階段のあるホールに出ます。1階に個室と水廻りを配置し、2階にダイニング・キッチンとリビングがあります。
今までの事例と同じように1階と2階、2階ダイニング・キッチンと2階リビングがこの吹抜けを通して繋がります。繋がりながらも同時に吹抜けとしての間(ま)があることで、ほど良い距離を生み出してくれます。


室内環境的には1階、2階それぞれの南面に窓を設けて太陽の光を取り込んでいます。屋根面にも電動で開閉するトップライト(天窓)を設けることで光を取り入れると共に空気が流れる仕掛けを施しています。この吹抜けを通して視線が縦、横、斜めに交錯することで空間が層のように連なり、奥行を感じる効果が生まれます。

次の事例です。この住宅では、2ヶ所の吹抜けを設けました。玄関ホールと子供室の2ヶ所です。
玄関ホールに吹抜けを設けたのは、玄関扉を開けて中に入ると、近い距離に2階へ上がる階段が目に入ることが理由のひとつです。

奥行きを深くすることが難しかったので、目線の近い位置に階段の側板が存在しますが、上空を吹抜けとすることでその圧迫感を軽減しようと考えました。また吹抜けにすることで上空があくので、2階部分に大きな窓を設けました。1階から見上げると周囲の視線は気にならず、空が見えます。時間によって移り変わる太陽の動きに呼応して光と影の状態が常に変化します。このことが空間に奥行きを生み出す一つの役目を果たしていると思います。

実はこういう感覚的なことが家づくりにはとても大切だと思っているのですが、クライアントにご理解いただくのは思いのほか苦労することがあります。この住宅のクライアントは簡単にご理解くださったので、説明に苦労することはなかったのですが、人によっては理解しにくいことなのかもしれません。

もう1ヶ所の吹抜けは子供室に設けました。子供室に吹抜けを設けた理由もいくつかあります。ひとつは上下階の繋がりを生むためです。子供室の上(2階)はダイニングなどのパブリックな場所です。大人が上にいて、お子さんが下にいる時でも姿は直接見えませんが気配が分かり、音が聞こえやすいからです。もうひとつの理由は窓の外に広がる緑地の緑と広い空を眺める大きな窓を設けようと思ったことです。通常の窓はどんなに大きくても物理的に天井面までの高さまでになります。この住宅では窓際に設けた小さな吹抜けにより天井面の制約がなくなり、自由な高さに窓を配置することが出来ました。

この吹抜けと窓の考え方は個人的にとても気に入っています。この住宅の大きなテーマのひとつが隣地にある緑地の緑を感じる家にすることでした。緑を感じるのと同時に大きな空も魅力です。この状況を積極的に取り込むためにどんなことをすると効果があるのかを考えた結果、吹抜けを設けることに行きつきました。実際に吹抜けがなかったことを想像すると、今の方が視界も広く開放的で良かったと思います。このアイディアをクライアントに提案した時に、とても喜んで頂けたのですが、一方で違う懸念事項も出てきました。1階と2階が繋がっていて気配や音が聞こえることがメリットではあるのですが、お子さんが夜、大人よりも早く寝ようとした時に音が聞こえるので気になって眠れないとか、明かりが漏れてまぶしくて眠れないということが起こることです。このようなメリットとデメリットは相反することが多いので悩ましいです。この時は吹抜けが小さかったので可動式の蓋を設けることで解決しました。


普段、この蓋は壁の一部に収納されているのであまり意識することはありません。蓋に設けた手掛けを引くと90度回転して窓台にのっかる仕掛けになっています。ちょっとしたことですが、この蓋により懸念事項はなくなり、この効果的な吹抜けを実現することができました。

私はそれぞれの場所が単に機能的であれば良いとは思っていません。機能が疎かになるのは良いことではないので、機能を十分に満たした上でそれぞれの住まいにとってのベストな方法を毎回模索しています。そこに住む方は毎回違う方なので当たり前だと思いますが、幾つかのパターンから良さそうなものを当てはめるようなことはしません。吹抜けひとつとってもこのようなにアレコレと考えを巡らせてつくっています。

こうして幾つかの事例をみてみると、吹抜けのつくり方にも色々な方法があるということがお分かりいただけると思います。色々なつくり方があるのは、基本的には私のクライアントに対する想いや個人的な考え方が影響していると思います。共通しているのは「こういうものだ」とか「こうでなければいけない」という偏った常識にとらわれず、それぞれのクライアントに合ったつくり方や暮らし方があるので、そこを間違えないようにしたいということです。そして常に機能的で美しくありたいということです。

それにしてもほぼ全ての住宅に吹抜けを設けていました。吹抜けを設けなければいけないとは思っていないのですが、吹抜けを設けるのには理由があります。事例の中でご紹介したことを整理すると、光を取り込むためであったり光の状態を調整するため、視線のコントロールや上下移動の空間体験、気配や音が伝わることでの家族の一体感や開放感、空間の連続性や距離感の調整など様々です。そのどれもがクライアントの要望をもとに、クライアントのキャラクターや敷地の状況に合わせて吹抜けの在り方を考えて設けています。
また、事例の中では触れていませんが吹抜けは面積調整を兼ねていることもあります。建蔽率や容積率がそれぞれの地域で決められていますので、その制限に合わせて計画しています。建蔽率50%、容積率80%などという面積配分に偏りのある条件の時には吹抜けを設けることが有効に働くことがありますので合わせて付け加えておきます。

今回取り上げた事例は吹抜けのつくり方のごく一部です。意味のある吹抜けがあることでそれぞれの住まいが豊かになっていることを感じて頂ければ嬉しいです。豊かな住まいが丁度いい暮らしを生み出すきっかけになっているとも思います。一方で「丁度いい」は人それぞれだということも分かります。ある方にとっては丁度いい場合でも、別の方にとってはそうではないことはあると思っていますので丁度いいは奥が深いです。是非、皆さんにとっての「丁度いい」を想像してみてください。

次回以降も続けていきますので、よろしくお願いします。

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【連載】「丁度いい暮らしと住まいのつくり方」2

連載『丁度いい暮らしと住まいのつくり方』
第2回「吹抜けをつくる理由」

これから家づくりをする方や家づくりを考え始めようとしている方に向けて、このブログの中で不定期(月に1回程度)の連載をはじめました。
個別のテーマはその都度変わりますが、連載のタイトルは『丁度いい暮らしと住まいのつくり方』として、これまでの設計事例の中からテーマに合わせて新築、リノベーションに関わらず事例をご紹介しながら、「丁度いい」とはどのようなことなのかを探っていきたいと思います。
丁度いい暮らしを生み出すための設計の工夫や考えたこと、建て主の要望にどのように応えてきたのか、その他、個人的な想いなども書いていきたいと思っています。是非お付き合いください。

今回は連載の第2回目です。前回の反響が大きく、多くの方にご覧頂けたようで嬉しいです。ありがとうございます。
2回目は「吹抜け」をテーマにして私が吹抜をつくる理由を考えることで吹抜けの良さを探ってみたいと思います。

吹抜けは階が複数になる際に上下をつなぐなどの目的で生まれる空間のことなので主に戸建て住宅に設けられることが多いです。マンションでもメゾネットの場合で条件が揃えば吹抜けを設けることができると思いますが私はまだ経験がなく、ここでは戸建て住宅の事例をご紹介していきます。

最初はこちらの事例です。

事例:座間の家


写真はダイニングからリビングスペースを見ています。リビングの上空を吹抜けとした事例です。
リビング(1階部分)は南と北に性格の違う庭を設けています。その庭に対して性格の違う開口部(窓)を設けました。この開口部を通してそれぞれの庭をつなぐように視線が抜けます。また窓は全開放できるので、開け放つと風が抜けていきます(網戸は設けてあります)。写真正面は西面ですが1階部分を壁とすることで隣家からの視線を遮り、同時にテレビを置いても背面が気にならないプレーンな壁面を用意しました。一方で吹抜け上空の2階部分には窓を設けて光を取り込む工夫をしています。西に向いた窓なので西日になりますが直接的なまぶしさはなく、明るさは十分に確保できるように窓の配置を工夫しています。吹抜けに絡め、方位を考慮して開口部を配置することで、風が通り抜け光が巡る空間になります。また、時間や季節を意識するきっかけにもなると考えています。

事例:戸塚の住居


1階に設けた家族の図書室の写真です。
この住宅のリビングは2階にありますが、リビングとは別に家族が集まるスペースを1階に設け、図書室と名付けています。壁面には造り付けの本棚を設え、実際に図書室のように使うことができます。その他、パソコン作業をしたり、お子さんが勉強をしたり、来客時の応接のスペースにもなる場所です。この図書室の上空を吹抜けとして2階のリビングやダイニングと立体的につながるようにしました。また、階段室を兼ねることで1階から2階へ、2階から1階へ移動する際には常に視線が移り変わり、上下方向の変化が感じられるつくりになっています。その他、吹抜けの高い位置(2階の高さ)に設けた北側の窓により安定的な明るさを確保でき、外からの視線を気にすることなく集中できる場となりました。吹抜けにより、上下階のつながりが生まれることで姿が見えなくても家族それぞれがお互いの気配を感じることができるので安心感もあります。


事例:国分寺の小さな住居

この住宅の吹抜けは玄関ホールに付属しています。
旗竿敷地の南側に道路から続く、所謂「竿」の部分があり、そのアプローチの延長に玄関を設けました。敷地も住宅自体もコンパクトなので、窮屈さを感じない大らかな家にしようという思いから吹抜けを設けましたが、その吹抜けの位置が玄関ホールにあるのにはいくつかの理由があります。細い路地状のアプローチを通ることで少し体が縮こまっているところを、家の中に入ると上空に広がる大空間が表れ、パッと開放されるような感覚を味わうことができます。緊張と緩和のリズムを作るイメージです。またこの吹抜けに接するように階段を設けていますので、上下階への移動がよりダイナミックに感じられる設えとしています。周囲を隣家に囲まれている状況ですが南側の2階部分から光が入ることが期待できたので吹抜けをつくり上空から光を取り込むことにしました。その際、敢えて2階部分のみを北側にセットバック(後退)させて隣家から引きをとることで距離が生まれ、より多くの光が南面から入る工夫をしました。このことは同時に2階からこの大きな窓を見たときにも隣家と距離があることでお隣の視線を軽減する効果があります。

この住宅では2階の吹抜けに面する場所にご主人の趣味のDJカウンターを設けたり、一部机になる場所も設けました。目の前に壁がなく、抜けていることで開放感を感じられる居心地の良さを生み出しました。

同じように吹抜けに面してカウンターを設けた事例があります。


1階のリビングの上空を吹抜けにして、吹抜けに面した場所にカウンターを設けました。この場所はお子さんが勉強をしたり、背後にあるテラスから洗濯物を取り入れて畳んだりする多目的な場所です。やはり開放感があり、上下階がつながることで距離が離れていてもお互いの存在を感じるられることが特徴のひとつです。

事例:練馬の改修住居

玄関を抜けると写真のような屋根まで吹抜けた階段のあるホールに出ます。この住宅は1階に個室と水廻りを配置し、2階にダイニング・キッチンとリビングがあります。
今までの事例と同じように1階と2階、2階ダイニング・キッチンと2階リビングがこの吹抜けを通して繋がります。繋がりながらも同時に吹抜けとしての間(ま)があることで、ほど良い距離を生み出してくれます。



室内環境的には1階、2階それぞれの南面に窓を設けて太陽の光を取り込んでいます。屋根面にも電動で開閉するトップライト(天窓)を設けることで光を取り入れると共に空気が流れる仕掛けを施しています。この吹抜けを通して視線が縦、横、斜めに交錯することで空間が層のように連なり、奥行を感じる効果が生まれます。

事例:小平の住宅

この住宅には2ヶ所の吹抜けを設けました。玄関ホールと子供室の2ヶ所です。
玄関ホールに吹抜けを設けた理由は玄関扉を開けて中に入ると近い距離に2階へ上がる階段のササラ(側板)が目に入ることが理由のひとつです。

奥行きを深くすることが難しかったので目線の近い位置に階段のササラが存在しますが、上空を吹抜けとすることでその圧迫感を軽減しようと考えました。また吹抜けにすることで上空があくので、2階部分に大きな窓を設けました。1階から見上げると周囲の視線は気にならず、空が見えます。時間によって移り変わる太陽の動きに呼応して光と影の状態が常に変化します。このことが空間に奥行きを生み出す一つの役目を果たしていると思います。

実はこういう感覚的なことが家づくりにはとても大切だと思っているのですが、クライアントにご理解いただくのは思いのほか苦労することがあります。この住宅のクライアントは簡単にご理解くださったので、説明に苦労することはなかったのですが、人によっては理解しにくいことなのかもしれません。

もう1ヶ所の吹抜けは子供室に設けました。

子供室に吹抜けを設けた理由もいくつかあります。ひとつは上下階の繋がりを生むためです。子供室の上(2階)はダイニングなどのパブリックな場所です。大人が上にいて、お子さんが下にいる時でも姿は直接見えませんが気配が分かり、音が聞こえやすいからです。もうひとつの理由は窓の外に広がる緑地の緑と広い空を眺める大きな窓を設けようと思ったことです。通常の窓はどんなに大きくても物理的に天井面までの高さまでになります。この住宅では窓際に設けた小さな吹抜けにより天井面の制約がなくなり、自由な高さに窓を配置することが出来ました。

この吹抜けと窓の考え方は個人的にとても気に入っています。この住宅の大きなテーマのひとつが隣地にある緑地の緑を感じる家にすることでした。緑を感じるのと同時に大きな空も魅力です。この状況を積極的に取り込むためにどんなことをすると一番効果があるのかを考えた結果、吹抜けを設けることに行きつきました。実際に吹抜けがなかったことを想像すると今の方が視界も広く開放的で良かったと思います。このアイディアをクライアントに提案した時に、とても喜んで頂けたのですが、一方で違う懸念事項も出てきました。1階と2階が繋がっていて気配や音が聞こえることがメリットではあるのですが、お子さんが夜、大人よりも早く寝ようとした時に音が聞こえるので気になって眠れないとか、明かりが漏れてまぶしくて眠れないということが起こることです。このようなメリットとデメリットは相反することが多いので悩ましいです。この時は吹抜けが小さかったので可動式の蓋を設けることで解決しました。


普段、この蓋は壁の一部に収納されているのであまり意識することはありません。蓋に設けた手掛けを引くと90度回転して窓台にのっかる仕掛けになっています。ちょっとしたことですが、この蓋により懸念事項はなくなり、この効果的な吹抜けを実現することができました。

私はそれぞれの場所が単に機能的であれば良いとは思っていません。機能が疎かになるのは良いことではないので、機能を十分に満たした上でそれぞれの住まいにとってのベストな方法を毎回模索しています。そこに住む方は毎回違う方なので当たり前だと思いますが、幾つかのパターンから良さそうなものを当てはめるようなことはしません。吹抜けひとつとってもこのようなにアレコレと考えを巡らせてつくっています。

こうして幾つかの事例をみてみると、吹抜けのつくり方にも色々な方法があるということがお分かりいただけると思います。色々なつくり方があるのは、基本的には私のクライアントに対する想いや個人的な考え方が影響していると思います。共通しているのは「こういうものだ」とか「こうでなければいけない」という偏った常識にとらわれず、それぞれのクライアントに合ったつくり方や暮らし方があるので、そこを間違えないようにしたいということです。そして常に機能的で美しくありたいということです。

それにしてもほぼ全ての住宅に吹抜けを設けていました。吹抜けを設けなければいけないとは思っていないのですが、吹抜けを設けるのには理由があります。事例の中でご紹介したことを整理すると、光を取り込むためであったり光の状態を調整するため、視線のコントロールや上下移動の空間体験、気配や音が伝わることでの家族の一体感や開放感、空間の連続性や距離感の調整など様々です。そのどれもがクライアントの要望をもとに、クライアントのキャラクターや敷地の状況に合わせて吹抜けの在り方を考えて設けています。
また、事例の中では触れていませんが吹抜けは面積調整を兼ねていることもあります。建蔽率や容積率がそれぞれの地域で決められていますので、その制限に合わせて計画しています。建蔽率50%、容積率80%などという面積配分に偏りのある条件の時には吹抜けを設けることが有効に働くことがありますので合わせて付け加えておきます。

今回取り上げた事例は吹抜けのつくり方のごく一部です。意味のある吹抜けがあることでそれぞれの住まいが豊かになっていることを感じて頂ければ嬉しいです。豊かな住まいが丁度いい暮らしを生み出すきっかけになっているとも思います。一方で「丁度いい」は人それぞれだということも分かります。ある方にとっては丁度いい場合でも、別の方にとってはそうではないことはあると思っていますので丁度いいは奥が深いです。是非、皆さんにとっての「丁度いい」を想像してみてください。

このほかの連載はコラムページにまとまっています。
よろしければ合わせてご覧ください。

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【プロジェクト】敷地調査

先日イレギュラーな相談があり、計画敷地を見に行ってきました。
今後どのようになるかは全くわかりませんが、相談をいただいたことは嬉しかったです。

敷地に1本だけ植わっている梅の花が咲き始めていました。

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【日々】木製ドアのメンテナンス

つい先日、事務所の木製玄関ドアのメンテナンスを行いました。
事務所移転時に新しくした木製ドアなので約4年半の間、何も手入れを行わずにここまで来ていました。
ほぼ真西の方角を向いているので天気の良い日には激しい西日を浴びてきました。庇もそれほど大きくないので雨も相当かかりました。
そのため、特に下の方は黒くなるほどに傷んでしまい可哀想な状態でした。
ここまで放置したのには(一応)訳があります。

弊社では木製の玄関ドアを設計の中で取り入れることがとても多くあります。
その経年変化の状態をクライアントにお見せする目的もあり、手を加えずにいたのですが、流石にそろそろお手入れをしておかないと長く使えなくなってしまうのでメンテナンスをすることにしました。

今回、日頃からお世話になっているオスモ&エーデルさんの全面的な協力を頂き、二日掛けて私のような素人でもできる範囲でクリーニングとメンテナンスを行いました。

以下、その手順とそれぞれの状況を詳しく写真でご紹介していますので是非ご覧いただき、参考になさってください。
※木製の玄関ドアの材質はピーラーです。枠はツガを使用しています。

約4年半経過した西向きの木製玄関ドアの全景です。下の方は雨の度に濡れてしまい黒ずんでいます。

最初は汚れを落とすためにクリーニングを行います。今回は市販の業務用アルカリ洗浄剤を使用して、アク抜きとシミ抜きの2工程を実施しました。

はじめは2液混合タイプの木部アク抜き剤をA液1:B液1の割合で混ぜます。


混ぜたアク抜き剤を刷毛で直接、扉に塗りつけていきます。

あまり待つことなく、汚れが浮き上がってきます。

扉全体にアク抜き剤を刷毛で塗ります。

扉全体に塗り終わったところです(下写真)。まだら模様が少し気持ち悪いですが気にしません。下の方が特に汚れの浮きが多いのが分かります。

次はナイロン製のたわしを使います。ホームセンターなどで手に入る一般的なものです。

ナイロンたわしで浮き上がった汚れをふき取っていきます。

汚れがたまったらバケツにいれた水で(冬場はお湯が良いです)すすぎながら繰り返し全体の汚れをふき取ります。

続いて、シミ抜きを同じく刷毛で全体に塗りつけていきます。

シミ抜きを全体に塗り終わったら、ウエス(シャツの端切れやボロ布など)で拭き取ります。

アク抜きとシミ抜きが終わったところです(下写真)。クリーニング前と比べると明らかに扉の色が明るく綺麗になりました。
ここまでの作業時間は約2時間でした。一日目の作業はここまでです。
このまま一日放置して自然乾燥します。

翌朝の状態です。自然乾燥が進んで少し色が落ち着きました。

二日目の作業は夕方からの予定なのでこのままもう少し放置しました。


二日目の作業はペーパー掛けからです。紙やすりで全体をこすり平滑にしていきます。使った紙やすりは「120番」です。



サンディングブロックに紙やすりを取り付けて全体を均一にこすりました。


ペーパー掛けが終わったら、再度養生をしてクリア塗料を塗る準備をします。


今回、メンテナンスに使用する塗料はオスモ&エーデルの外部用クリア塗料ツヤ消し「701クリアープラス」です。
最近弊社で設計した住宅では外部用クリア塗料はこれを選ぶことが多いです。


缶を開けたら缶の中に木製のかき混ぜ棒を入れてよく混ぜます。
(かき混ぜ棒は割りばしでも代用できます。良く混ざれば大丈夫です)


よく混ざったら適量を別の容器に移します。
今回は市販の塗料用の使い捨てパットを使用しました。


最初は細かな部分(際など)を刷毛で塗っていきます。


広い部分は専用のコテ刷毛を使用して塗っていきます。このコテ刷毛はオスモ&エーデルのオリジナル商品で、ホームセンターなどで売っているものと比べると少し高いのですが使い心地が良く作業効率が良いのでオススメです。施主施工などで何度も塗っていますがこのコテ刷毛だけは他で代用できないので多少高くても価値があると思います。ご興味がる方はオスモ&エーデルのホームページで購入ができますのでご覧になってみてください。



板の目で右から4枚目までがクリア塗装を塗ったところです。ツヤ消しですがこれくらいの濡れ色になります。

1回目を塗った後、1時間ほどおいて乾燥させてから2回目を塗りました。陽が沈むのが早いので2回目終了後には真っ暗になっていました。
これで全ての作業が終わりです。2日目の作業時間は約2時間(乾燥1時間を含む)でした。


翌朝の状態です。塗装直後に比べると濡れ色が少し落ち着きました。


すっかり綺麗になりました。下の方は元々の状態がひどかったので色むらになっています。もう少し早くお手入れをした方が良かったですね。
クライアントの皆さん、是非適切な時期にメンテナンスをお願いします。


個人的には今回のメンテナンスにかなりの手ごたえを感じました。また同時にメンテナンスの必要性も感じました。定期的なメンテナンスは絶対に必要です。


よくクライアントからご質問のある「松ヤニ」についてです。事務所のこの扉も当初2年くらいはヤニが出て、ベトベトしていました。その後はヤニが止まり、出ていたヤニ自体も乾燥していきました。3年くらい経過すると下写真のようにヤニの跡はあるものの、乾燥しているので使用上は気になることはありません。


今回のメンテナンスで汚れを落とし、紙やすりでこすり、クリア塗装を施したのでヤニの痕跡はきれいに無くなりました。


おまけですが、扉と同時期に自分で制作した看板はオイル塗装もしていなかったので今回ついでにクリア塗装をしました。事務所にお越しの際は合わせてご覧頂けました嬉しいです。

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【リノベーションプロジェクト】現場採寸

先日から始まりましたマンションリノベーションの計画はマンションの引渡しが無事に完了したので早速、現場の実測採寸を行いました。

現場は既にほぼスケルトンの状態のため、無駄なものがなく普段と比べると格段に早く採寸を完了しました。
採寸が速くなったのは現場の状態のほかに、レーザー計測器を少しだけ性能の良いものに変えたことも関係しているかもしれません。
以前から使っていたボッシュのDIY仕様のレーザー計測器が壊れてしまったので同じボッシュのプロ向けの単機能の計測器に変えたところ、読み取りが早くなったような気がします。

現場の実測採寸が終わったのでこれから図面を作成して、プランを造り込んでいきたいと思います。

右端が新しいレーザー計測器、右から2番目が先代の計測器、見るからに性能が良さそうな顔をしています。

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